先日、美容院で出してくれた雑誌を読んでいたときのこと。
ある、コラムが目に止まり、内容に驚いて「えー!!」と思わず声を上げてしまって、美容師さんを「どうしたんですか?」と驚かせてしまいました。
何が書かれてあったのかというと、「リスキリング」についての内容で、ある外資系の企業の人事の方が社内向けの企画として、無料の英語学習プログラムを提供したそうで。
しかしながら参加率がとても低かったそうなのです。どうして参加しなかったのかをアンケート調査したところ、20代から30代の若手の社員から「上昇志向があると他人から思われたくない」「失敗するのが恥ずかしい」との回答が。
私はこの回答に驚いてしまいました。
確かに、思春期の頃は周りの目や、自分がどう思われているのかとても気になる時期がありましたが、20代に入ってからはどんどん気にならなくなり、今は本当に正直どうでもよい(というのも良くはないですよね笑)。
もちろん、この回答がすべての人の意見ではないにしろ、社会人になってからも、他人の目が気になるがゆえに、何かに参加する妨げになるという意見に少なからず衝撃を受けました。
私は、昨今の若者の、他人の目や、失敗を過度に恐れる人が増える背景には、SNSの存在が大きいと思います。
今や誰しもが、何かしらのSNSを使っています。特に10代や20代の若い世代にとっては重要なコミュニケーションツールでもあるでしょう。
そこに毎日、毎秒表示されるのは、キラキラと輝く華やかな世界や、充実した友人の生活。
スリムな体型、今日は高級料理のディナー、友人たちとテーマパークに行っていますetc…
投稿の内容と自分とを比較してしまったり、SNS上の魅力的な生活が標準的と考えるようになったりして。
SNSの中の正解を基準にしていると、失敗した自分や恥ずかしい自分を受け入れられなくなってきますよね。
「他人の目が気になる」「失敗が怖い」と過度に思う若者が増えているのは、こういった情報が溢れる環境があまりにも身近で、生活の一部になってしまっていることが一因になっていると思うのです。
さて、ピアノを弾くとき、誰かの前で演奏する本番のとき、失敗はつきものです。
ノーミスで完璧に弾き切ることが理想ではありますが、プロでもミスタッチひとつせず弾くことは難しいです。
ときには暗譜が全て飛んで、頭の中が真っ白になってしまうこともあります。
でも、続けていれば次の本番があって、前回失敗したとしても挽回するチャンスが何度でも回ってきます。
1回の失敗で、全てが無になってしまうことって、ないですもんね。その失敗すらも、次の成功するための力になることもあります。
私は本番、かなり緊張する性格ですので(あと暗譜が大変不得意)、本番頭が真っ白になって、何も弾けなくなるということも経験しました。でも、真っ白になっても、もう一度頭から弾き直したり、その場でデタラメを弾いて繋いで、思い出せるところから再出発したり、いろいろ試してきましたね笑
本番を重ねていれば失敗をすることも増えますが、その失敗を知ることも、大事な経験なんだと思っています。
ピアノを通じて学べることはたくさんありますが、失敗しても次があること、失敗しても立ち直れる柳のようにしなやかな折れない心を育めることも大きなメリットだと考えています。
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